山菜ゼンマイの採取とアク抜き、春の味覚を楽しむまで

田舎暮らし

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春風が心地良くなる4月上旬。
草木の芽吹きが進み、庭の隅にも小さな変化が。

この季節になると、毎年ゼンマイが顔を出してくれます。

暮らしの楽しみのひとつが、こうして身近な場所で季節の恵みに出会えること。
とくにゼンマイやワラビといった山菜は、春の訪れを実感させてくれる食材です。

今回は、ゼンマイを収穫してじっくりアク抜き。
そのあと、調理して春の味を楽しむ。

少し手間はかかるけれど、やっぱりこの味は春にしか楽しめないご褒美。

庭の隅っこに生えた春の山菜「ゼンマイ」

毎年のことですが、4月に入って少し暖かくなってくると、庭の片隅にひょっこりと現れるゼンマイ。

フワフワと綿をまとった姿が見えはじめると、「ああ、今年も春が来たな」と嬉しくなるのです。

ゼンマイは、うちの庭では春の常連。
ワラビも近場で獲れるものの、こごみは出てくれません。

こごみはアク抜き不要でそのまま調理できるので楽なのですが、ゼンマイはそうもいかない。
アク抜きがちょっと面倒……とはいえ、妻の好物なので毎年収穫しています。

女ゼンマイを中心に。
食べる分だけ、無理に根こそぎ取らず、また来年もしっかり出てきてもらえるように。

ゼンマイのアク抜き作業

ゼンマイはアクが強い山菜。
そのままではえぐみも強く、体に良くない成分も含まれていたり。

よく聞くのがチアミナーゼ。
これはビタミンB1を壊してしまう酵素で、摂りすぎは体に負担がかかるとのこと。

だから、アク抜きは必須。

まずは大きめの鍋にたっぷりの水を張って火にかけ、重曹をひとつまみ加えます。

沸騰したらゼンマイを投入してすぐに火を止め、そのまま8時間ほど放置。
次第に湯が赤みを帯びていくのは、アクがしっかり抜けてきている証拠です。

その後は水を入れ替えながら何度かすすぎ、一晩水にさらします。
これを水が透明になるまで繰り返していきます。

この作業、地味だけど案外好きだったりします。

窓を開けて春の風を感じながら台所で過ごす、のんびりした時間。

ゼンマイ料理のやさしい味わい

しっかりアクが抜けたゼンマイは、いよいよ料理に。

煮物にしてもいいし、炒めてもおいしい。
韓国風にナムルにしてもいい。

いろいろ迷ったけど、今回は炒めてからのごま和えにしてみることに。

ごま油でさっと炒めて、だし醤油とすりごまを加えて、和えるだけ。
とてもシンプル。でも、この素朴な味わいがたまらない。

ゼンマイの味ってなかなか言葉にしづらいけれど、食べると「あ、春だ」って思える。

山の香りとでもいうのか、土っぽい香りと若草っぽい風味が混ざり合って、ほのかに甘みすら感じる。
炊き立ての白ごはんにのせて噛みしめると、じわじわと春が広がる、そんな感じ。

春をいただくということ

ゼンマイのような山菜を食べると、季節そのものを味わっているような感覚になります。

スーパーに行けば一年中いろいろなものが手に入る時代だけれど、やっぱり今だけしか採れない、ここにしかない、という食材は特別。

山菜には少しクセがあって、下処理にも手間がかかるものが多いけれど。

アク抜きで真っ赤になった水を捨てるときの、なんともいえない達成感。
食卓にのせたときの、春が訪れた証。

今年もゼンマイに会えてよかったな。
そんなふうに思えた春の一日でした。

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