友人のヤカンとの新島釣りキャンプ。
ついに4日目、最終日。
荒天の中でさるびあ丸に乗り、着けるかどうかもわからないところから始まった3泊4日の釣りキャンプ。
あっという間に最終日を迎えてしまいました。
最終日は、釣りはせずに撤収と帰路。
寂しいものの、最後まで楽しもう。そんな1日。
キャンプ撤収からスタートする去る日の朝
新島4日目。
最終日の朝。

この日も快晴で風も弱くて気持ちがいい。
テントから出た時の新鮮な空気がたまらない。大きく伸びをして深呼吸……。


前日のことを思い返しつつこのままのんびりしたいところですが、この日は撤収日。
さるびあ丸の出航は11時55分。それまでにやることがいくつもあります。
テントを片付ける。
宅急便で送る荷物をパッキングする。
持ち運ぶ荷物を整理する。
新島陸送サービスへ荷物を持っていって手続きする。
レンタカーのガソリンを入れる。
レンタカー代の支払いもある。
島を離れる日は、急に現実的。

6時頃に起きて、顔を洗ったら早速片付け開始。
去る日の朝は、いつもどこか寂しいもので。重くなる片付けの手。
まずはテントから荷物を出し、車からもパッキングするものを持ってきます。
消耗品が無いので、荷物は軽くなっておらず。むしろ、丁寧に詰められない分、行きより荷物は増えた模様。
どこから手をつければいいのか、一瞬呆然。

こういう時は、焦っても仕方ない。
コーヒーを淹れて、少しずつ進めることに。
朝のキャンプ場は静か。
昨日まで生活していた場所を、ひとつずつ元の状態へ戻していく。
それだけの作業なのに、妙に時間の重みを感じるものです。
黒猫ネクタイとの別れ
片付けをしていると、ネクタイがやってきます。

6年前にも羽伏浦キャンプ場で一緒に過ごして、今回もずっと近くにいてくれた黒猫。
首元が白く、まるでネクタイをしているように見えるから、ネクタイ。

荷物のそばに来て、いつものように近くをうろうろする。
こうして来てくれるだけで、胸がシクシクと痛む。
次に来た時にも会いたい。
元気でいてほしい。
新島滞在の中でネクタイは大きな存在。
また来るよと、撫でながら伝えます。
テントの撤収と朝カレー
片付けの大物は、やはりテント。

数日滞在すると、もはや感覚は家。
強風の中も耐えてくれて感謝です。
雨が降っていたりすると困っちゃうわけですが、この日は快晴。
風もほとんどなく、片付けやすい天気。

設営よりも撤収はあっという間。
テントをたたみ、道具をまとめ、キャンプ場での生活感が消えて元通りになっていく。
昨日までは帰ってくる場所だったテントが、ただの荷物に戻っていく。この瞬間は、何度やっても寂しいもんです。

ある程度片付いたところで、荷物を減らすために朝食作り。
残っている食材を使い切るため、朝一からカレーライス。
「帰るの寂しいね」なんて話しながら。
外で食事する気持ち良さが身体に刻み込まれていく感じ。
これが今回の旅で最後のキャンプ飯。
羽伏浦キャンプ場をあとに
現実逃避しつつのんびりしていると、時間があっという間に過ぎていきます。

今回も結果的に、楽しいキャンプ生活でした。
荒天で始まり、釣果も最初はなかなか伸びずどうなるかと思ったけれど、最後にはアオリイカとケンサキイカが釣れて満足。
食事も、温泉も、島巡りも良かった。
片付けていると、島で過ごしていた時間を実感するもんです。

ヤカンは荷物を詰めるのがうまい。
ある程度まとめたあとは、最後の詰め込みはヤカンに頼りっきりでした。いつもすまんです。
荷物を台車に載せ、車へ運びます。

ありがとう、羽伏浦キャンプ場。また来るよ。
キャンプ場を出る時は、そんな気持ち。

車に乗ったら、まずはレンタカーのガソリンを給油。
それから新島陸送サービスへ宅急便荷物を持っていき、発送の手続きを済ませます。
レンタカーの支払いは港の駐車場でする流れなので、これで大きな作業はほぼ完了。
出航までの時間を楽しもう。
〆の湯の浜露天温泉
出航まで1時間半ほどあったので、最後に温泉に入ることに。

今回も島生活を支えてくれた、湯の浜露天温泉。
毎日どころか、朝も晩も入っちゃったり。
荒れた初日の夜も、釣れない日の後も、夜釣りで冷えた後も、ここで身体を温めればそれでOK。
最後の最後が温泉というのは、かなり贅沢。
湯に浸かると、撤収で少し張っていた気持ちもゆるみます。
天気は快晴。
誰もいない温泉で、石造りの景色と青い海を眺める。
帰る前にもう一度ここへ来られてよかった。

温泉を出たあとは、新島港の近くを少し散策。
初日は荒れていたものの、それ以外の日は本当に天気に恵まれました。
ありがたい。

あっという間の3泊4日。
島に辿り着けない可能性もあるスタートだったので、どこか夢見心地のまま過ごしていたような感覚もありました。
だからこそ、余計に早く感じるのかも。
キャンプ場を去る時になって、ようやく「本当に新島にいたんだな」と強く実感したくらい。
さるびあ丸に乗ると、帰りが現実になる
港の駐車場へ戻り、ナカダレンタカーさんへ電話。
レンタカーの支払いを済ませて、あとは出航を待つだけ。

やがて、さるびあ丸が接岸。
荷物を置いたら、すぐデッキに出て別れを惜しもう。
そんな話をしていたのですが……。

帰りは特2等席。
予約した時点で2等席が埋まっていたのです。
これまで2等席ばかり使ってきた僕らは、特2等席に着いても設備がわからず。
ロッカーがない!と思って焦る。実際には部屋の中にあるのですが、初見では気づかず、周辺をうろうろ。
荷物置き場も思ったよりいっぱい。
どうやら神津島でたくさんの人が乗った様子。

さらに、昨日釣ったイカを持ち帰るのために冷蔵ロッカーを探したり。
準備してきたはずなのに、船内でかなりバタバタ、と。

前回はギリギリまで釣りをしていて、あわや乗り遅れそうになりました。
今回はちゃんと準備して一番乗りで船を待っていたのに、結局焦っている。
我々らしいです。
ようやくデッキに出た時には、船はもう出発していました。
小さくなっていく新島を眺める
息を切らせながら、デッキへ。
みるみるうちに離れていく新島。

港が少しずつ遠ざかり、島の輪郭が小さくなっていく。
また来るよ。
心の中で呟きます。
初日は荒天で、新島に着けるかどうかもわからずの不安なスタート。
着いたら着いたで、風が強く雨もあり、釣りがなかなか噛み合わない。
でも、最後にはちゃんと楽しい旅になりました。

ムロアジを刺身にして、みかさのおにぎりと食べたこと。
ワカサギ餌からケンサキイカに辿り着いた夜。
朝風呂とイカ尽くしのブランチ。
石山展望台から見た青い海。
最終夜のキロアップアオリイカ。
思い返すと、どれも濃い思い出。
帰りの船内で、旅が少しずつ日常へ戻っていく
出航直後はレストランが激混み。
デッキに出る人が多くなる利島着のタイミングを見て、レストランへ行くことに。

帰りの船は、やることがあまりありません。
だからといって寝すぎると、夜に眠れなくなるし。
せっかくの特2等席ですが、行きに特2等席が良かった。
帰りはもう、旅が終わっていくのを受け入れる時間なのだから。
食事をしてから船内を少し歩いてみると、2等席が取れなかった理由が判明。
神津島から小中学生くらいの団体が乗っているようでした。2等席の方も見てみると、引率の方も含めてかなりいっぱい。
船内は人が多く、なかなか落ち着く場所がありません。
席に戻って仮眠します。

特2等席は、カーテンで仕切られたベッドのような空間。
遮るものはカーテンだけですが、カプセルホテルのようで意外と落ち着けますね。
少し眠って、起きたらまた海を眺めます。

途中、鳥山ができてナブラが湧いているエリアが。
こんなのに出会えたらね、なんてヤカンと話します。
釣り人は、帰りの船でも海を見てしまうもの。
1人の時間に戸惑う
ヤカンは横浜で下船。
ここまでずっと2人でいたので、横浜で見送ってから1人になると急に静かになって若干の戸惑いが。
先に食事をしておこうと、レストランで1人で食事。
さっきまで当たり前に向かいにいた人がいないだけで寂しい。
横浜からはナイトクルーズの人たちが大量に乗ってきて、船内の雰囲気が一気にお祭り騒ぎに。
ゆっくりとした島帰りの空気から、急に観光地のような賑わいになってしまって頭が追いつかない。
旅の余韻に浸るには少し人が多い。
急いで席に戻り、音楽を聴いて過ごします。
しかも、横浜での出航に時間がかかり、竹芝到着は予定より1時間遅れ。
最後の最後で、現実の疲れがどっと戻ってくる感じでした。
竹芝到着前に早めに並びますが、人が多くて思うようには動けず。
なんとか船を降り、逃げるように駐車場へ。
ここからさらに車で帰らなくてはいけません。
思い返せたのは、少し日が経ってから
到着が遅れ、人も多く、帰りの車では新島のことを思い返せず。
疲れの方が勝ってしまっていました。
翌日からは仕事。
旅の余韻をゆっくり噛みしめる間もなく、日常が始まります。
ちゃんと思い返せたのは、翌週。
ヤカンに送る写真を見繕いながら、先週の今頃は新島で釣りしていたな……なんて思い返したのでした。
島に行けるかどうかもわからない波乱のスタート。
なかなか釣果が上がらない前半。
ワカサギ餌から始まった夜釣り。
ネクタイとの再会。
イカ尽くしの朝飯。
最終夜のアオリイカとケンサキイカ。
たった数日なのに、ずいぶん遠い時間のように感じます。
時間を置いて考えるとちょっとした旅行なのに、実際に行くとなると、島に行く時間を作るのは簡単ではなく。
準備が大変。遠征には不安もある。
でも、その引き換えに手に入るものはやっぱり大きい。
今となっては、最高の旅でした。
島時間はほどけて、日常へ戻っていきます。
でも、新島で過ごした3泊4日は、しばらく身体の奥に残り続けます。
また行くことにしよう。
ヤカンと話していた通り、そう心に決めたのでした。