高尾山に登った際に必ず立ち寄る蕎麦屋がある。
『山門前 もみじや』だ。
『もみじや』の蕎麦は独特で、蕎麦は切り方が不揃いで太め、つゆは大分甘めだ。この独特の味が実に癖になる。
高尾山を登り始める頃には、蕎麦を無意識に思い浮かべていたりする。
登山客を出迎え、そして見送る蕎麦屋
『もみじや』は山の中腹の山門の前にある。
リフトやロープウェイを利用する登山者の多くがこの店の前を通るはずだ。
多くの登山客が山頂を目指して歩く中、妻と2人、列からすっと離れて店の中に入る。
店内は木彫のいかにも山小屋のような内装だ。
登山気分を盛り上げてくれる。
メニューは観光地の店にしては潔く、温かい蕎麦・冷たい蕎麦、それに小料理といった具合。
僕らは、
- 天狗そば
- とろろそば
- 板わさ
を注文した。
秋の山の風は清らか、だが冷たい。
蕎麦はどちらも温かいものにした。
天狗そば
この店を訪れると必ずいただく『天狗そば』。
高尾山には天狗がいるとされていることから、それになぞらえて名前に天狗とつけているのだろう。
前述の通り、『もみじや』の蕎麦は特徴的である。
一口啜ればわかると思うが、蕎蕎麦は切り方が不揃いで太く、つゆはかなり甘い。
この味が、登山前には堪らないのだ。
太めの蕎麦は食べ応えがある割に、喉越しはつるっとしている。
つゆは色が濃く甘みが強い割に、後味は出汁が香りさっぱりとしている。
具も大きな海老天を筆頭に、天狗の焼き印入りのカマボコ、舞茸の天ぷら、山菜に三つ葉・ねぎなど具沢山である。
食べれば食べるほど楽しく、そして旨い、一杯。
とろろそば
その昔、参拝者の疲れを癒すために栄養満点の自然薯(山芋)を擦って食べさせたことから、高尾山の名物となったと言われている『とろろそば』。
高尾山を訪れたら一杯は啜っておきたいところだ。
『もみじや』の『ととろそば』である。
とろろがたっぷりとかかっている。
一口啜ると、独特の蕎麦とつゆと粘りのあるとろろが融合して絶妙なバランスだ。
また、卵も一緒にいただくとコクがでて、旨い。
三つ葉やねぎも良いアクセントを加えてくれる。
つゆまでズズズッといただける一杯である。
板わさ
『もみじや』を訪れると頼むことの多いのが『板わさ』だ。
間にこういう口の中をさっぱりさせてくれるものを食べると、甘みの強いこの店の蕎麦つゆが、さらに美味しく感じられるのだ。
まとめ
実はポール・マッカートニーも訪れたことがあるという『もみじや』。
窓際の席からは素敵な景色を眺めながら食事をすることができ、おすすめである。
本格的な登山の前に『もみじや』で一杯。
それが僕らの恒例になっている。
山門前 もみじや
■住所
東京都八王子市高尾町2177
■TEL
042-661-2360
■営業時間
10:00~16:00
■定休日
原則無休 雨天日休店
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